日本経団連は27日、「経営トップによる働き方改革宣言」を発表、広く産業界全体に呼び掛けた。宣言は「誰もがいきいきと働ける職場環境の実現に向けた取り組み」と題して、(1)経営トップの明確な意思表明とリーダーシップの発揮(2)管理職によるマネジメントの徹底と自らの意識改革、を挙げている。
そのうえで、具体的取り組み例として(1)業務プロセスの見直しと効率化でムリ・ムダを省く(2)ノー残業デーの徹底、深夜残業の原則禁止や朝方勤務の導入、フレックスタイム制やテレワークの活用を推進する(3)職場・個人単位での年休の計画的付与、半日・時間単位年休の導入(4)「プラスワン休暇」や子供の休みに合わせ、年3日程度の年休を追加取得する(5)年休取得率の低い社員に管理職が取得を働き掛ける――を挙げている。
経団連は今年を「働き方・休み方改革集中取り組み年」と位置付け、その一環として同日、経済4団体主催の「働き方・休み方改革セミナー」で、経団連、日本商工会議所、経済同友会、全国中小企業団体中央会や傘下61団体の賛同を得て「宣言」を公表したもの。
政府は長時間労働の是正や年休取得の促進などを強力に推進しており、労働政策審議会などでも法改正を通じて実現を図る動きが出ていることから、経営側自らがリーダーシップを発揮して「運用面」から実現を図ろうとする意図がうかがえる。