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2016年7月19日

「常時介護」の要件緩和、介護休業の取得容易に  厚労省の有識者会議が報告書

 厚生労働省は19日、有識者会議「常時介護を必要とする状態に関する判断基準に関する研究会」(座長、佐藤博樹中央大学大学院教授)がまとめた報告書を発表した。報告書によると、常時介護が必要な家族として、従来の要介護2~3から要介護1~2程度に緩和し、介護休業の取得条件を緩和する。判断基準は厚労省局長通達で周知し、改正育児・介護休業法(育介法)が施行される来年1月から同時施行する。

 従来の判断基準は、特別養護老人ホームへの入所要件である要介護2~3相当を想定していたが、介護内容の多様化などによって基準が実態に合わなくなっており、改正育介法で介護休業の分割取得などを通じて取得しやすくなったのに合わせ、判断基準も緩和したもの。

 新基準では、従来の要介護2以上に加え、歩行や排せつなど12項目のうち、一部介助が必要な項目が2つ以上か、全面介助が必要な項目が1つ以上あれば対象になり、介護度では1~2に相当する。新基準に該当するかどうかは、介護休業を取得する会社員の雇用主が判断することになり、厚労省は今後、周知を図るが、要介護1が全面的に該当するわけではなく、介護認定と“企業認定”にズレが生じる可能性もあることから、「わかりにくい」との声が消えない懸念は残る。

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