求人メディアの主要各社で構成される公益社団法人・全国求人情報協会(丹澤直紀理事長・会員65社)は9日、若者雇用促進法で企業(募集主)に義務付けられた「残業時間などを含む職場情報の提供」の趣旨を踏まえ、広告を掲載する企業に周知するための「取り組み方針」を発表した。求人メディア側からすると、求人企業は顧客(クライアント)であり、敢えてそこに踏み込んだ業界最大シェアを誇る全求協の今回の行動には、重要な意義と重みがある。
全求協によると、求人サイトや情報誌等のメディアは、同法において表示の義務を課されていないが、募集主に対する情報開示の社会的要請が強くなっており、年間1300万件の求人情報を提供している全求協の会員が自主的に取り組むことで、情報提供促進に貢献できると判断した。
公表した取り組み方針によると、
(1)若者雇用促進法における募集情報提供事業者としての責務を果たし、必要な連携・協力を行う。
(2)固定残業代の表示を促進するため、12月1日から表示がない募集主の広告は掲載しない。固定残業に関して表示する項目としては①固定残業代の金額②その金額に充当する労働時間数③固定残業代を超える労働を行った場合は追加支給する旨。
(3)求人広告・求人情報を掲載する募集主・企業への周知啓発を強化。65社の会員及び取引のある広告代理店の営業担当者(約7万人)を通じ、募集主・企業へ若者雇用促進法における情報提供の義務を周知し、求人広告・求人情報への表示を促進。
(4)職場情報(3類型)の表示促進をより進めるための検討を行う。2018年新卒の掲載項目の新たなルールの検討については今年9月をメドに検討を進め、新ルールを募集主・企業に周知開始する――の4項目を明記した。
全求協は、14年度以降だけをみても「求人広告における求人情報適正化に向けた活動」を自主的に展開している。
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