日本経団連傘下の大手企業の新卒採用選考が1日解禁され、来春卒業予定の大学生・大学院生が一斉に企業の面接会場を訪れた。新卒採用をめぐっては「就職活動の期間が長いため、学生の勉強に支障が生じている」との批判が多かったため、経団連は昨年、従来の3月解禁を8月に後ろ倒ししたが、かえって就活期間の長期化を招いたことから、今年は解禁日をやや前倒しする“朝礼暮改”の申し合わせ変更で臨んだ。
正式な内定解禁は10月1日。しかし、5月1日時点の内定率はディスコによると29.1%(前年同期比11.2ポイント増)、リクルートキャリアでも25.0%(同4.3ポイント増)と前年を上回るペースで内々定が決まっており、売り手市場を背景に企業側の人材確保熱が高まっている状況がうかがえる。業界関係者によると、今月末には大量の内々定が出る見通し。
今年3月には「若者雇用促進法」が全面施行され、企業側は学生らから要請があれば、新卒採用数や離職者数などの募集・採用状況、残業時間などの雇用管理状況、キャリアコンサルティングなどの職業能力の開発・向上状況の3項目について、それぞれ一つ以上の情報提供が義務付けられた。若者の離職防止やブラック企業対策が目的だが、就活生にとっては優良企業かどうかを見分ける手段の一つになりそうだ。