厚生労働省が20日発表した2015年度毎月勤労統計調査(確報、従業員5人以上)によると、現金給与総額は平均で31万4089円(前年度比0.2%増)と2年連続で増加した。残業代などを含まない所定内給与も23万9880円(同0.3%増)と増加した。しかし、物価上昇分を引いた実質賃金の伸びは同0.1%減となり、11年度から5年連続のマイナス。春闘などでの賃上げが十分でないことを裏付けている。
ただ、実質賃金の内訳をみると、一般労働者は同0.2%増と4年ぶり、パート労働者も同0.2%増と3年ぶりの増加となった。パートは正社員より短時間勤務が多いため賃金は低い傾向にあり、厚労省は「パート比率が上昇したため、両者を合わせると全体の実質賃金は押し下げられた」と分析している。
毎月の総実労働時間は144.5時間(同0.4%減)で4年連続の低下。労働者総数は4801.5万人(同2.1%増)で、内訳は一般労働者が3335.2万人(同1.4%増)、パートタイム労働者が1466.3万人(同3.9%増)とパートの伸びが目立った。パート比率は30.54%で前年度より0.54ポイント増えた。