労働政策研究・研修機構が19日発表した「ものづくり産業における労働生産性向上に向けた人材確保、定着、育成等に関する調査」によると、過半数のメーカーが生産性向上に向けた政策を実施している半面、女性の活用は依然として進んでいないことがわかった。
労働生産性の向上に向けて過去3年間に実施した政策では「人材確保や人材育成・能力開発」が54.1%と最も多く、その中心は「正社員の採用強化」。人材確保に次いで「生産設備・工程の改善」が52.3%で続いたが、「労働時間短縮などの人事労務管理」は22.1%にとどまった。
過去3年間でのものづくり人材で、女性正社員の人数の変化については「ほぼ変わらない」が57.7%で、「増えた」と「やや増えた」の14.4%、「減った」と「やや減った」の6.3%を圧倒的に上回った。非正規社員についても「ほぼ変わらない」が55.1%とほぼ同じ結果となった。
女性人材については、「技能者」の「いない」企業が50.9%で、「いる」企業の46.3%を上回っている。「技術者」になるとさらに差が広がり、「いない」の70.7%に対して、「いる」はわずか24.2%。職層(複数回答)についても、「主任・係長などのリーダークラス」が51.9%を占め、「課長クラス」は8.1%、「部長クラス」は2.7%に過ぎず、ものづくりの現場は男性優位であることが改めて浮き彫りになった。
調査は昨年11~12月、従業員10人以上の製造会社2万社を対象に実施、5785社から有効回答を得た(回答率29%)。