厚生科学審議会の指定難病検討委員会(水澤英洋委員長)は16日、第14回会合で事務局の厚生労働省から対象予定となる第3次疾病が提示された。ロウ症候群、ターナー症候群など222疾病。同省の難治性疾患政策研究事業で研究してきた約160疾病に、小児慢性特定疾病のうち小児科学会から要望のあった88疾病を加え、双方でだぶった疾病などを引いたもの。
厚労省は今後、個別疾病について3回程度の検討を加えて決定、パブリックコメントなどを経て年内に取りまとめて告示、2017年度の追加実施にこぎつけたい考えだ。この日は、222疾病以外に各方面から要望のあった、指定難病の要件を満たさない疾病ついても、疾病群ごとに病名が報告された。難病法施行に伴う指定難病はすでに306疾病にのぼっているが、今回の検討対象は同法の要件を満たさない疾病も多く、どれぐらい追加指定されるか、議論の行方が注目される。
委員からは、「これまでの議論で漏れた疾病が幾つも含まれており、新しい材料が提示されなければ議論のムダ」「研究班と学会の研究がきちんと結びついた体制に基づく提示でないと意味がない」「対象疾病をただ増やすだけでなく、難病拠点病院のシステム整備など、実効性のある制度構築を急ぐべきではないか」といった意見も相次いだ。