リクルートホールディングス(HD)が13日発表した2016年3月期連結決算によると、売上高は過去最高の1兆5886億2300万円(前期比22.2%増)、営業利益は1140億3200万円(同6.9%減)、経常利益は1193億3600万円(同5.0%減)、当期純利益は645億3500万円(同7.4%減)の増収減益となった。配当は1株50円(同3円増)の増配とした。
国内外の旺盛な人材需要と海外M&Aなどによって売上高は急増したが、減価償却費やのれん償却額などの営業費用が増えたことから減益となった。リクルートは14年10月の東証1部上場以降、初の通期決算となったが、上場益を主に海外のM&Aに投入し、規模の拡大を目指す戦略が数値にも表れた形だ。
売上高最大部門の人材派遣は国内(スタッフサービスHDとリクルートスタッフィングの合計)は4141億円(同6.3%増)、北米を中心にした海外(スタッフマークHDなど4社の合計)も4758億円(同66.6%増)で、合わせると約8900億円(同31.8%増)の大幅増となり、M&Aの効果が鮮明になった。
職業紹介などの人材メディア部門は転職市場の活性化を受けて3592億円(同18.7%増)だったが、販促メディア部門は3493億円(同4.8%増)にとどまった。
17年3月期は売上高1兆6900億円(同6.4%増)、営業利益1215億円(同6.5%増)、経常利益1265億円(同6.0%増)、当期純利益615億円(同4.7%減)の増収増益基調を予想している。配当は50円に据え置く。
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