リクルートワークス研究所は21日、来春卒業予定の大卒求人倍率を発表した。それによると、求人倍率は1.74倍で、今年の1.73倍とほぼ同水準。学生にとっては人手不足を背景にした環境改善により、大企業の希望者が増えている。
企業側の大学生・大学院生に対する求人は約73.4万人で前年より1.5万人増加。これに対して学生側の就職希望は約42.2万人で前年より5000人増えた程度だった。
求人倍率はリーマン・ショックの後遺症で2012年3月卒が1.23倍の底を記録したが、その後は景気の持ち直しなどで5年連続のプラスが続いている。売り手市場の長期化で、企業側の採用未充足も今年3月卒では54.4%と過半数の企業が予定していた採用数を下回った。
来春の学生側の希望をみると、従業員5000人以上の大企業を希望する人は約8.3万人で、前年より1.4万人増えている一方で、従業員300人未満の中小企業希望は前年より1.4万人少ない約9.9万人となり、大企業の希望者が増えている。中小企業にとっては厳しい局面だが、中途採用や高齢者採用などで乗り切りを図る企業が増えている。
同調査は今年2~3月、従業員5人以上の企業7089社を対象に実施し、4504社から回答得た(回答率63.5%)。希望学生数は文部科学省の「学校基本調査報告」を基に推計し、企業規模別希望などはリクナビ会員5000人余りへのアンケートから推計した。