厚生労働省は14日付で、再就職支援を含む職業紹介事業を営む事業者などに対し、「企業が行う退職勧奨に関して職業紹介事業者が提供するサービスに係る留意点について」と題する通知を出した。一部報道を端緒に2月下旬から国会で野党の民主党と維新の党が衆参予算委員会や衆参厚生労働委員会などで追及している「労働移動支援助成金」の問題を受けた対応。近く、別途「自分の再就職先を探させる業務命令は、労働者保護の観点から不適切だと明示する」内容の通達も出される見通しだ。
14日付の通知によると、「再就職支援を取り扱う事業者は、リストラにより離職を余儀なくされる労働者の円滑な再就職を支援することが使命であり、積極的に退職者を作りだすようなことは職業紹介事業の趣旨に反すること、企業が労働者に対して、その自由な意思決定を妨げるような退職強要を実施したり、退職強要に該当する行為についてマニュアルを企業に提供することは、違法行為を招くものであり許されないこと」と明記しているほか、「退職強要に至らないものであっても、再就職支援を行う事業者が企業に対して積極的に退職勧奨の実施を提案したり、労働者に対して直接退職勧奨を実施することも不適切である」などと記している。