帝国データバンクが14日発表した2016年度「雇用動向に関する企業の意識調査」によると、正社員、非正規社員とも企業の採用意欲は旺盛なものの、拡大基調は頭打ち傾向にあることがわかった。景気拡大が息切れ気味になって、先行き不透明感が増していることが、採用心理に影響し始めているとみられ、今年の就職戦線にどう影響するか注目される。
正社員の採用予定が「ある」と回答した企業の割合は62.9%で、昨年の63.6%に続いて2年連続で6割を超えたものの、6年ぶりに前年を下回った。企業規模別では大企業が82.9%、中小企業が57.3%で、大企業は6年連続で伸び率が高まっているが、中小は昨年の58.3%から6年ぶりに減少しており、正社員の採用動向にやや陰りが見え始めている。
また、非正規社員の採用予定が「ある」と回答した割合は48.8%で昨年の50.2%から6年ぶりに減少し、5割を下回った。一方で、採用予定の「ない」企業は38.8%と昨年の37.6%から7年ぶりに増え、非正規社員の採用を抑制する傾向が表れている。
同調査は2月後半、全国2万3189社を対象に実施し、うち1万497社の回答を得た(回答率45.3%)。