連合は人材サービス業界の2団体と、2010年以来6年ぶりとなる「共同宣言」を視野に協議や意見交換を開始する。共同宣言は、日本人材派遣協会(水田正道会長)と日本生産技能労務協会(清水竜一会長)の2団体とそれぞれ意見交換を複数回重ね、取りまとめを内外へ発信する方針だ。前回の「共同宣言」以降も意見交換を実施しているが、労働者派遣法の12年(平成24年改正)と15年(平成27年改正)の2回の大改正を挟んでおり、連合側も業界団体側も前回の内容を基軸としつつ拡充が必要と判断した模様だ。
連合によると、テーマは両団体ともに「派遣労働者の能力開発や、有期雇用社員の無期化、派遣会社における労使関係と集団的労使関係づくり」などで、連合本部の関係局を中心に協議していく。関係局は非正規労働センターと総合労働局、総合男女平等局、総合組織局となる。
派遣協とは来週から初会合を開催、技能協とは3月早々に初会合を持つ予定だ。共同宣言に至るには、それぞれの主張や意見を率直にぶつけ合い、そのうえで「実のある合意形成」が期待される。前回は、10年4月26日に技能協と「派遣・請負労働者の処遇改善と派遣・請負事業の適正かつ健全な運営の促進に向けた共同宣言」を採択。
また、同年5月24日に派遣協と「派遣労働者の待遇の向上と労働者派遣事業の適正な運営の促進に向けた派遣協と連合との取り組みに関する共同宣言」が採択されている。当時の採択の署名について、連合側は事務局長が対応しており、今回も事務局長である逢見直人氏が各部局と2団体の意見交換を総括していく方向だ。
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