厚生労働省が２９日発表した昨年１２月の有効求人倍率（季節調整値）は１．２７倍で前月比０．０２ポイント上昇し、今年最高を更新した。１．３～１．４倍台で推移したバブル崩壊後の１９９１年当時に迫る水準で、人手不足は改善しそうにない。都道府県別では東京都の１．８９倍が最高で、最低は鹿児島県と沖縄県の０．９２倍だった。
新規求人倍率は１．９１倍で前月を０．０２ポイント下回った。新規求人数（原数値）は前年同月比６．２％増。産業別では、宿泊・飲食サービスの同１６．７％増、運輸・郵便の同９．５％増、卸・小売りの同８．１％増などで増えている。
この結果、２０１５年の年間平均倍率は１．２０倍（前年比０．１１ポイント増）と０９年の０．４７倍を底に６年連続の上昇を記録。新規求人倍率も同１．８０倍（同０．１４ポイント増）で６年連続増となった。
１２月の完全失業率は３．３％の横ばい
総務省が２９日発表した昨年１２月の就業者数は６３８５万人で、前年同月比２８万人増、１３カ月連続の増加となった。完全失業者は２０４万人で同６万人の減少、６７カ月連続の減少となった。この結果、完全失業率（季節調整値）は３．３％で前月と同水準だった。男女別では男性が３．７％、女性が２．９％。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者５３５５万人のうち、正社員は３３１６万人で前年同月より２５万人増。非正規社員も２０３８万人で同２２万増となり、非正規率は３８．１％だった。非正規のうち派遣社員は１３４万人で同９万人増えた。
これらの結果、２０１５年の年間平均失業率は３．４％（前年比０．２ポイント減）となり、１０年当時の５．１％をピークに５年連続で低下、１９９７年以来１８年ぶりの低水準となった。
完全失業者数も２２２万人で同１４万人減となった。平均就業者数は６３７６万人で同２５万人増と３連連続で増えた。正社員は３３１３万人で同２６万人、非正規社員も１９８０万人で同１８万人増え、非正規比率は３７．４％となった。
