ベトナム人学生を育成し、日本企業への就職を支援する「日越就業能力開発プログラム」は28日、東京都内で海外新卒の採用に興味のある経営者や人事採用担当者を対象に「アジア高度技術人材の活用セミナー~ベトナム技術新卒の紹介~」を開催した=写真。全国各地から集まった参加者は、同プログラム長を務めるベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学土木工学部のダン・ダン・トゥン准教授の基調講演や、パネルディスカッションなどを通して、理系高度人材の採用の最前線と動向を学んだ。
「日越就業能力開発プログラム」は、昨年8月、ホーチミン工科大と大阪市に本社を置くジャパンクリエイトグループの現地法人であるタンスイベトナムが調印式を経て開講した組織で、3者が一体となって共同運営。今回は、同プログラムの東京事務所が主体となって日本で開催した。
基調講演では、トゥン・プログラム長が「ベトナム人エンジニアの展望性」と題し、開講したプログラムの狙いとポイントを説明したうえで、「3者の連携で最良な質と中身を意識している。日本企業における『報連相』の重要性はもちろん、ビジネス日本語と専門日本語の高いレベル。日本文化を含む即戦力のプラスαの能力を高めている」と述べ、プログラムに参加している学生の展望性などを強調した。
パネルディスカッションは「日本企業におけるアジア高度技術人材活用の必要性について」をテーマに、トゥン・プログラム長と実際に活用している企業担当者として東京製綱執行役員・鋼索鋼線事業部・土浦工場長の原田英幸氏、住友商事電力事業第一部の手塚亮人部長代理の両名、タンスイベトナムの鍋倉充浩副社長、運営事務局の担当者がパネラーとなり、企業側の最新の取り組み状況や課題、同プログラムへの期待などを含め、一歩踏み込んで情報交換を展開した=写真。質疑応答では、プログラム事務局から新卒高度技術者の日本企業への就業までの具体的な流れ、導線なども披露された。
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