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2015年12月30日

活用企業の6割がメリットに懐疑的  東商リサーチの改正派遣法調査

 東京商工リサーチがこのほど発表した「労働者派遣法の改正に関するアンケート」によると、改正自体は8割の企業で、内容も7割の企業で認知されていたが、派遣社員の利用企業のうち「メリットがわからない」と答えた企業が約6割にのぼるなど、改正の意図が浸透していない実態がうかがえた。

 調査は11月にインターネットで実施し、有効回答を得た全国3851社分について集計・分析したもの。

 派遣法の改正を認知していた企業は80.7%の3106社、改正内容を知っていた企業は70.7%の2758社にのぼった。

 一方、派遣会社を利用している企業に改正のメリットを聞いたところ、回答のあった1689社の場合、「メリットがない、わからない」が約6割の989社にのぼり、「正社員化を見据えた良い人材確保」の273社、「派遣社員のモチベーション向上を期待」の136社などを大きく上回った。

 これに対して、デメリットについては「特になし、わからない」がほぼ半数を占めたものの、「スキルレベル維持に不安」が351社、「雇用不安等による派遣社員のモチベーション低下」も224社あり、実務レベルでの懸念や手間に関する不安の声も散見された。

 改正派遣法は9月30日に施行されたが、1986年の同法施行以来の大幅見直しにもかかわらず、成立から施行まで異例の短期間で周知時間がなかったこともあり、派遣先企業には戸惑いの声が多い。

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