人材紹介大手のジェイエイシーリクルートメント（東京都千代田区、松園健社長）は１７日、「東南アジアの日系企業の幹部人材市場の現状と２０１６年以降の動向予測」と題して記者懇談会を開き＝写真＝、年末にも発足予定のＡＳＥＡＮ経済共同体（ＡＥＣ）を切り口に、同社海外進出支援室の佐原賢治室長、黒澤敏浩フェロー、同社タイランドの山下勝弘社長の３人が今後のホワイトカラー人材市場の展開などを解説した。
ＡＥＣの発足は、１９９０年代に創設されたＡＳＥＡＮ自由貿易地域（ＡＦＴＡ）を基に２５年をかけて構築されてきた動きで、今年末をメドに発足される運び。「モノ・ヒト・サービス」の動きをこれまで以上に自由化することで、活発な貿易や熟練労働者らの移動などを促進し、競争力向上により周辺国への輸出拡大と成長を目指しているという。
こうした動きを踏まえ、人材市場におよぼす影響を分析。中期的な現地のビジネス環境の変化として、恒常的な建設需要や安定的な市場拡大、中小企業の発展などを挙げて、日系企業におけるチャンスとリスクを説明。そのうえで、「海外進出に伴う人材採用・育成は企業の最重要課題のひとつになる」と提言した。
このほか、３人がそれぞれの担当分野の視点と経験に基づき、東南アジア各国の最新の給与動向やその背景、法律面の障壁や特徴、製造業と非製造業の組織構造などの現状と今後について掘り下げた。同社は１１月末に、東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）５カ国の日系子会社４８０社におけるコア人材確保の動きを調査した「ＡＳＥＡＮ人材戦略レポート２０１６」を発表する予定。
同社はホワイトカラーの人材紹介事業に特化し、日本をはじめアジア９カ国に計２６拠点を置いて事業を展開。今年８月にはジャスダックから東証一部に市場変更している。
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ジェイエイシーリクルートメント（２月１２日）
