厚生労働省が4日発表した2014年「就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、3年前より正社員数が増えた事業所の割合は20.6%だったのに対して、減った事業所の割合は27.2%となった。
一方で、正社員以外の労働者の比率が3年前より上昇した事業所の割合は14.1%、低下した事業所の割合は14.2%とほぼ同じだった。上昇した事業所の場合、就業形態別ではパートタイマーが59.3%で最も多く、派遣労働者は8.7%程度だった。
また、派遣労働者を受け入れている事業所が派遣を活用する理由については(複数回答)、「即戦力・有能な人材確保のため」が34.5%と最も多く、「正社員を確保できないため」(33.0%)、「臨時・季節需要への対応」(28.7%)などが続き、「賃金節約のため」は14.2%と低かった。パートでは「賃金節約のため」が41.5%と最多を占めたのと対照的な結果となった。
一方、労働者を対象にした個人調査では、正社員比率が60.2%、正社員以外が39.8%。正社員の昨年9月の平均給与で最も多かったのは「20万~30万円未満」の33.7%だった。これに対してパートは「20万円未満」が93.1%を占め、派遣は「20万円未満」が53.5%、「20万~30万円未満」が31.1%で続いた。
派遣の場合、現在の会社での働き方の希望については「現在のままで働きたい」が43.7%、「正社員として働きたい」が48.2%で、正社員希望がやや多かった。
調査は5人以上の正社員のいる事業所約1万7000カ所と労働者約5万3000人を対象に、昨年10月1日時点の状況について実施。回答率は事業所が64.4%、労働者が65.2%。