改正労働者派遣法の政省令などを審議している労働政策審議会・労働力需給制度部会(鎌田耕一部会長)で、事務局の厚生労働省は16日、あす17日の会合の中で日雇い派遣の原則禁止にある例外規定(現行法では18業務と4つの属性)について、一部見直す厚労省案を提示する検討に入った。具体的には、「世帯収入などが500万円以上の人に限る」という規定の「減額措置」だが、労使の議論は真っ向から衝突することが予想され、今回の審議会では決着しない可能性もある。今回の審議会の目玉のひとつだったが、即決で労使の納得の得にくいこの案件は、
「明確な減額金額の提示」自体を避けることもあり得える。この「減額」については、昨年1月29日の労政審の建議で「現在の収入要件を見直すことにより雇用の機会を拡大すること」という文言が付されている。
原則禁止を“前提”とした減額の交渉は、使用者側からすると「そもそも原則禁止に反対であり、減額の議論を受けいれるのは禁止を半ば認めていることになる」との姿勢であり、一方、労働者側は「減額など論外」の姿勢。
原則禁止の是非論は別として、あす17日に示される厚労省案で帰着するかは予断を許さない状況。場合によっては今回の30日施行に向けた労政審ではなく、10月以降の審議会に委ねられる選択もありそうだ。国会において、「9月11日成立、30日施行」という結果になった余波は、数カ月前には概ね“既定路線”となっていた改正法関連のさまざまな動きにも影響を与えている。
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