規制のかけ方を抜本的に見直す労働者派遣法改正案について、参院厚生労働委員会は3日、安倍晋三首相出席のもと質疑を行った。衆院厚労委の安倍首相出席の際とは異なり、改正法案に真っ向反対の政党や会派を含めて審議拒否の欠席はなく、約2時間にわたって政府の見解を質した。政府による施行日の「9月30日」への繰り下げ修正と採決は来週中が有力視されている。また、付帯決議の有無なども注目される。
参院厚労委は定員25委員で、委員長を除き、自公が13委員、野党11委員となっている。派遣法改正案は昨秋の臨時国会と同様、「重要広範議案」に指定されており、審議の中のいずれかの日程に首相出席による質疑が必要。国会では一般的に採決前の“環境整備”と位置付けられている。
質疑の中では、派遣先が派遣社員を受け入れる際の費用について、「派遣先でいわゆる物件費という勘定科目が使われていることが多い。派遣労働者の保護(という姿勢)が口先だけでないとするならば、経済界に見直しを要請すべき」などと、野党委員が指摘。これに対し、安倍首相は「企業会計の慣行において、役務の提供の対価の会計処理にあたっては取引の実態や金額の重要性などに鑑み、各社で適切な名称で分類することになっている」としたうえで、「その中で派遣料金を独立して分類する場合には、例えば『人材派遣費』など適切な名称を使用し、労働者の派遣を受けて、その人材を活用しているという実態を適切に反映するよう、厚労大臣から経済団体に要請させたい」と答弁した。
来週の採決に関する動きを整理すると…
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