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2015年8月11日

派遣法改正案で与野党9委員が質疑、参院厚労委  改正項目の要所を深掘り  参考人招致の開催を決定

 参院厚生労働委員会は11日、労働者派遣法改正案の集中審議を続行。与野党から9委員が質問に立ち、政府の見解をただした。改正案に示された「3年を超えて派遣を受け入れる場合の派遣先事業所における過半数労働組合等からの意見聴取のあり方」など、各委員が前回(4日)に切り込んだ項目とは出来るだけ別なテーマを挙げて、期待できるメリットと懸念材料の両面を深掘りした。

 次回以降は、自公維が共同提出した「同一労働・同一賃金法案」なども議題に乗せ、有識者らの参考人招致(意見陳述と質疑応答)を行う。

 これまでの議論を中間整理すると、衆院での審議の段階から改正法案の認識に関し、「規制緩和一辺倒」との雰囲気がまん延していた国会と世論だが、衆参の与野党委員の議論や参考人招致・地方公聴会などを通して、「許可(更新)要件に直結する派遣元事業者に対する規制は格段に厳しくなる」という事実は、浸透しつつある。

 この日は、自民の大沼みずほ委員、公明の長沢広明委員、民主の津田弥太郎委員、森本真治委員、維新の川田龍平委員、共産の吉良よし子委員、元気の行田邦子委員、無所属クラブの薬師寺みちよ委員、社民の福島みずほ委員(順不同)の9委員が、参院ならではの専門的な視点と知見で政府と質疑を交わした。

 前回(4日)の質疑では、「雇用安定措置の義務化」、「正社員の定義とは」、「派遣元による無期雇用」、「常用代替防止の原則の維持」、「事業所(派遣先)の過半数労働組合の対応」――の5点に質問が集まったが、今回はさらに「事業所(派遣先)の過半数労働組合の対応」などを中心に、厳密な指摘や政府の認識、行政の対応について議論が展開され、改正法案の「有効性」と「政省令などで補足が必要な課題点」を明確にしていった。

 省庁再編によって、2001年に参院厚生労働委員会が発足(厚生と労働の統合)してから、お盆期間中に終日にわたる質疑を行うのは初めて。

 

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