労働政策研究・研修機構(JILPT)がこのほど発表した「60代の雇用・生活調査」によると、60代の不就業者のうち26.0%が就業を希望しており、特に60代前半層の男性の42.9%が就業を希望していることがわかった。
調査は昨年7~8月、60代の5000人(男性3000人、女性2000人)を無作為抽出して実施。回答者は3244人(回答率65%)。
まず、就業率は55.5%、不就業率は44.5%だったが、60代前半(60~64歳)の就業率が62.7%、不就業率が37.3%だったのに対して、後半(65~69歳)になると各47.4%、52.6%となり、働いていない人の方が多くなった。
ただ、不就業者の中でも「仕事をしたいと思いながら仕事に就けなかった」という就業希望者の比率は11.6%あり、不就業者に占める比率も26.0%にのぼった。内訳は60代前半が28.0%、同後半が24.4%。理由は「適当な仕事がない」「健康上の理由」などが多かった。
就業者が仕事をした理由(複数回答)は、「経済上の理由」が71.4%と最も多く、次いで「いきがい、社会参加のため」(31.5%)となっている。
JILPTでは、将来の労働力人口の確保が求められる中で、就業を希望している60代が多数存在していることが確認されたとして、「就業希望者に対するマッチング機能の一層の強化が重要」としている。