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2015年7月26日

派遣法改正案、施行日繰り下げを模索  「9月30日」を軸に調整、政府・与党

 「9月1日」を施行日としている労働者派遣法改正案について、政府・与党は、参院での審議が進んでいない状況などを考慮し、施行日を繰り下げる「部分修正」に踏み切る検討に入った。「9月30日」を軸に調整中だ。参院では8日に本会議で、厚生労働委員会では14日に審議入りしたが、日本年金機構の個人情報流出問題や安全保障関連法案の衆院採決などの煽りを受ける格好で、審議が滞っていた。

 政府・与党内には「9月1日」を動かさないことを大前提に、参院厚労委での足早な審議と採決を求める意見もあった模様だが、参院での審議を重視することを決断。30日にも集中審議に入る公算が高い。衆院の優越のひとつである「再議決」が可能となる、いわゆる「60日ルール」(同法案は衆院を6月19日に通過、8月17日で60日目)を行使せずに丁寧に進める見通しだ。

 施行日修正に関する段取りや手続きなどは、今後、詳細を詰める方針。施行日については、現行法の「労働契約申し込みみなし制度」が発動される「10月1日」前までの速やかな実施が、現場の混乱を出来るだけ抑えられると判断したと見られる。

 厚労相の諮問機関である公労使3者構成の労働政策審議会は2014年1月29日の建議(答申)の中で、現行の政令26業務で従事している派遣社員について「新制度への移行に際して経過措置を設けることが適当」と明記。「人で3年」の期間制限のカウント開始に一定の経過期間(激変緩和)を盛り込むことを提起しているが、この経過期間中の「26業務の対象派遣社員」と「みなし制度」(10月1日施行)の取り扱いやあり方などがどのようになるのか、法案成立から施行までに実施される労政審において注視される項目のひとつになりそうだ。

 

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