政府は24日、過労死等防止対策推進法に基づいて具体的な政策を盛り込んだ「大綱」を閣議決定した。同法は昨年11月に施行され、その中で大綱の制定を規定していた。「過労死ゼロ」を目指して、3年後をメドに見直すことにしている。
大綱の柱は、過労死の原因がまだ明らかになっていないケースが多いことから、医学、経済学、社会学など他分野にまたがる調査研究の実施を決めた。また、数値目標として(1)2020年までに、週60時間以上働く労働者の比率を5%以下にする(2)有給休暇の取得率を70%以上にする(3)17年までに、社員のメンタルヘルス対策に取り組む事業所の比率を80%以上にする――などを盛り込んだ。
過労死の背景には、正社員を中心にした長時間労働の慣行があり、労働基準法で定める時間外労働や三六協定などが絡むだけに、同法が「働き方改革」にどこまで関われるか未知数の部分もある。
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