厚生科学審議会の難病対策委員会(福永秀敏副委員長)は10日の第41回会合で、事務局の厚生労働省が提示した難病対策の「基本方針」を了承した。基本方針は、今年1月に施行された難病法で策定を規定していたもので、同委員会は2月から計5回、議論を重ねて策定にこぎつけた。
基本方針は、(1)難病患者に対する医療等の推進の基本方向(2)難病患者に対する医療費助成制度(3)難病患者に対する医療提供体制の確保――など9項目で構成。医療費助成から治療研究、就労支援まで幅広い政策課題を網羅している。この中では、患者側の希望が強かった医療費助成の対象拡大が1月から先行実施されている。
基本方針には医療費助成のほか、患者データベースや医療支援ネットワークの構築、他分野機関との連携のモデルケース例示、難病対策地域協議会の設置といった具体的な政策が数多く盛り込まれており、厚労省は今後、どの政策から実施していくか優先順位を決める方針。
この日の決定を受けて厚労省はパブリックコメントを募集し、一定の整理を施したうえで、8月下旬に同委員会の最終報告としてまとめることにしている。