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2015年6月22日

通常国会、9月27日まで会期延長へ  厚労省と雇用関連の政府提出法案の進展に影響も

 政府・与党は22日、会期末を24日に迎える通常国会について、9月27日までの95日間の大幅延長に踏み切る方針を固めた。野党第一党の民主は、大幅延長に反対姿勢だが、与党内の手続きや、国会全体の段取りを経て、22日夜に開会する衆院本会議で決定する運びだ。大幅延長は、「足踏み」が続いていた厚生労働省と雇用関連の政府提出法案の進展にも影響を与えそうだ。

 参院は、衆院本会議の議決を踏まえて常任委員長会議が開かれる予定だが、野党の反対で「成案」には至らない公算が高い。22日午後1時の時点では、「衆議院の優越」で参院本会議は開かれずに延長が確定する見通しだ。

 大幅延長の最大の目的は安全保障関連法案の成立を確かなものにするためで、政府は今国会召集前に想定していた8月上旬まで(約40日間)の延長を、2倍以上に拡大した格好だ。これに伴い、日本年金機構の個人情報流出問題などで各種法案審議の進ちょくが滞っていた厚労省関連の展開が注目される。

 現状を整理すると、今国会に政府が提出している厚労省および雇用関連法案は、
(1)戦後70年、戦没者の妻らに対する特別給付金支給法改正案
(2)国民健康保険法改正案
(3)厚労省所管の独立行政法人改革推進法案
(4)労働者派遣法改正案
(5)勤労青少年福祉法改正案(若者雇用促進対策法案)
(6)社会福祉法改正案
(7)医療法改正案
(8)労働基準法改正案
(9)確定拠出年金法改正案
(10)女性活躍推進法案・新法(内閣官房・内閣委員会)
(11)外国人技能実習に関する新法(厚労、法務両省共管・法務委員会)
――の11本。22日現在、(1)3月31日に成立。(2)5月27日に成立。(3)4月24日に成立。(4)6月19日に衆院通過、参院へ。(5)参院先議で4月17日に可決・通過、衆院へ。(6)~(11)は衆参ともに未着手となっている。

 (10)は、衆院本会議で6月4日、自民と公明、民主の与野党3党が提出した修正案を賛成多数で可決、参院に送付。今後は参院内閣委員会で審議が始まる。修正案は、政府案の法律の目的に「男女の人権が尊重される社会の実現を追加する」ことなどが盛り込まれている。

 (11)は、認可法人の技能実習機構(仮称)を新たに創設し、「管理監督体制の強化」と「制度拡充」という両面を進めるのが法案の柱。実効性が急務だが、未着手の状態だ。

 このほか、今国会開会前に提出を検討していた法案は3本で、▽年金積立金管理運用機構法案(GPIF)▽国民年金法改正案▽医薬品の臨床研究における被験者の保護・広告の適正化に関する法案――となっている。

 

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