帝国データバンクが11日発表した「従業員の健康管理に対する企業の意識調査」によると、8割以上の企業で社員の健康管理対策を講じている一方で、1割以上の企業で過重労働をしている社員のいることがわかった。調査は5月下旬、全国2万3587社を対象に実施、有効回答数は1万664社、回答率45%。
社員の健康保持・増進策を実施している企業は84.2%の高率に上ったが、具体的には「定期健康診断」(95.3%)、「定期検診の事後措置」(49.3%)、「職場の喫煙対策」(40.7%)などにとどまり、近年急増している「メンタルヘルス対策」を講じている企業は24.1%に過ぎなかった(複数回答)。
一方、過去1年間に月間の時間外・休日労働が100時間を超える社員がいたかどうかについては、「いなかった」が81.2%だったが、「いた」が12.5%あった。
「いた」企業を規模別にみると、社員1000人以上などの大企業が21.7%にのぼり、中小企業の9.9%、零細企業の5.8%を大きく上回った。業種別では「運輸・倉庫」が25.0%の最多で、人材派遣などを含む「サービス」が22.3%、「建設」が15.3%の順。人手不足の深刻な業界で過重労働に拍車が掛かっていることがわかった。