政府提出の労働者派遣法改正案が、12日の衆院厚生労働委員会で与党の自民・公明、野党の維新の出席のもとで採決され、与党の賛成多数(委員長を除く44委員のうち賛成31、反対4、他は欠席の見通し)で可決される公算だ。政府は、安倍晋三首相が審議に出席する方向で調整している。
5月12日の衆院本会議の審議入りから1カ月が経過。既存メディアは、委員会開催そのものに反対する民主などの発言や行動にスポットを当てた報道を展開すると予想されるが、全体の約8割の委員が賛成するという事実も忘れてはならない。来週から参院で審議が始まるが、“場外乱闘”ではない改正法案そのものに対する深みのある真の議論が期待される。
自民は11日に開いた党厚生労働部会(高鳥修一部会長)で、維新などが5月26日に提出した「同一労働・同一賃金法案」について、一部修正して国会に提出する方針を了承。来週以降、自民、公明、維新で提出し、可決する方針だ。
衆院での派遣法案関連の審議は、予算委員会などを除いても約35時間を超えているが、民主の反発を受けての「採決」によって、衆院厚労委は正常化、沈静化までに1~2週間ほどかかる模様だ。また、8月10日前後をメドとした大幅な会期延長については、政府が来週にも明言する段取りで官邸サイドで進んでいる。
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