衆院厚生労働委員会は10日、労働者派遣法改正案関連の質疑を再開した。45委員のうち、野党の民主7、共産2の計9委員が、委員長職権による派遣法案審議の再開に抗議して退席し、予定より約40分遅れで開会。一部のマスメディアは「与野党激突」、「民主猛反発」などの表現と部分的な映像で「与野党が拮抗した混乱ぶり」の印象を抱かせる報じ方も見受けられるが、後半国会ではそれぞれの信ずる主張と姿勢をぶつけあう上で特に珍しい光景ではなく、他の8割の与野党36委員は着席した状態で委員長差配と進行に従い審議した。あす11日に日本年金機構の個人情報流出問題の審議を行い、12日に派遣法改正の採決を実施して賛成多数で可決する公算だ。
この日は、自民の渡嘉敷奈緒美委員、公明の古屋範子委員、維新の牧義夫委員、井坂信彦委員の計4与野党委員が、政府提出の労働者派遣法改正案と維新が中心となって提出済み(5月26日)の同一賃金・同一労働法案の両案、一部、年金情報流出問題について質疑を展開した。
注目される質疑は、渡嘉敷委員と古屋委員によるこれまでの議論を踏まえた「不安の声」や「(主に野党の)批判の矛盾」などを端的に突くやり取りで、総括的に整理する明快な質疑に徹した。「極端な事例を出して、さもそれが全体像のような議論が先行している」(渡嘉敷委員)の切り出しで始まり、...
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