厚生労働省が25日発表した2014年度「過労死等の労災補償状況」によると、脳・心臓疾患に関する事案の請求件数は763件(前年度比21件減)と3年連続で減少し、支給決定件数も277件(同29件減)と2年連続で減少した。このうち、死亡は121件。一方、精神障害に関する事案では、請求件数が1456件(同47件増)となり、過去最多を更新した。支給決定件数も最多の497件(同61件増)となった。このうち、未遂を含む自殺は99件。
脳・心臓疾患の業種別(大分類)では、請求件数は「運輸業、郵便業」168件 、「卸売業、小売業」126件、「建設業」97件の順で多く、支給決定件数は「運輸業、郵便業」92件、「卸売業、小売業」35件、「製造業」31件の順に多かった。年齢別では、請求件数は「50~59歳」251件、「40~49歳」222件、「60歳以上」198件の順で多く、支給決定件数は順に111件、93件、39件となっている。
増加傾向に歯止めがかからない精神障害の業種別(大分類)をみると、請求件数は「製造業」245件、「医療、福祉」236件、「卸売業、小売業」213件の順に多く、支給決定件数は「製造業」81件、「卸売業、小売業」71件、「運輸業、郵便業」63件の順に多かった。年齢別では、請求件数、支給決定件数ともに「40~49歳」454件、140件、「30~39歳」419件、138件、「20~29歳」297件、104件の順。
出来事別の支給決定件数は、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」が72件、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」69件の順に高かった。
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