衆院厚生労働委員会は29日、政府提出の労働者派遣法改正案と、野党の維新・民主・生活が共同提出した同一労働・同一賃金法案を同時並行で審議した。約7時間にわたる審議全体を通してみると、政党としてのスタンスに一定の方針はありながらも、問題意識や固執する部分は個々の委員の信念や経験に基づく場面が目立った。次回は6月2日の午前9時から開会する。
“政治法”と揶揄(やゆ)される派遣法については、民主政権時代を含めてその時々の政権が難しい国会運営とかじ取りを強いられてきた経過がある。今回の審議では、野党提出の対案的な同一労働・同一賃金法案も正式に審議のテーブルに乗せて進行。民主政権時の2010年6月に、衆院厚労委で政府提出法案の審議を1日のみで採決・可決に持ち込もうとしたのに比べれば、慎重な委員会運営が展開されている(結果的には、当時の鳩山由紀夫首相が当日の早朝に別案件の責任をとって辞任したため、委員会は流会)。
この日は、派遣法案については政府側が答弁、同一労働・同一賃金法案は提案者である野党委員が答弁する形で審議を行った。質問に立ったのは、与党から自民の中川俊直委員、公明の中野洋昌委員、野党から維新の足立康史委員、井坂信彦委員、牧義夫委員、民主の山井和則委員、大西健介委員、阿部知子委員、岡本充功委員、中島克仁委員、共産の高橋千鶴子委員――の11人。
両法案の質疑の中で特筆されるのは...
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