野党の維新と民主は26日、政府提出の労働者派遣法改正案への“対案的”な法案として、「同一労働・同一賃金法案」を国会に共同提出する運びだ。衆院解散前の昨秋の臨時国会に民主、維新、みんな(当時)、生活の野党4党が共同提出(11月6日付)した法案と同様で、「同じ仕事であれば正規も非正規も同じ賃金を得られる」という職務給、ジョブ型が浸透している欧米などで導入されている形。他の野党の参画もあり得る。
橋下徹大阪市長の年内政界引退に端を発した国政・維新による新たな野党連携の模索が背景にあるが、いわゆる「大阪系」と呼ばれる同党議員の中には従前から「政府案に概ね賛成」の考えを示している議員もおり、他の法案も含めた後半国会の動きが注目される。
同一労働・同一賃金法案については、先の臨時国会における衆院予算委員会や厚生労働委員会で、安倍晋三首相や塩崎恭久厚労相が「職務に対する賃金体系が普及しておらず、能力や責任、配置転換の範囲などの要素によって賃金が決定される職能給が一般的である日本の労働市場において、すぐさま同一労働・同一賃金や均等待遇の仕組みを導入するには乗り越えるべき課題がある」との認識を示し、「まずは個々の事情に応じた均衡待遇を推進していくことが適切」と答弁している。
今国会における派遣法改正案の衆院での審議は、今週から来週にかけてヤマ場を迎えるが、この視点については新味に欠けた繰り返しの質疑となりそうだ。
【関連記事】
7日の衆院厚労委に安倍首相出席
派遣法改正案、来週の採決目指す政府 野党は強く反発(2014年11月6日)