製造派遣・請負事業の業界団体、日本生産技能労務協会(JSLA、清水竜一会長)は20日、都内で2015年度定時総会と会員懇親会を開いた。今年は役員改選期にあたること、労働者派遣法改正案の成立が見込まれることなどから、会場は参加者の熱気にあふれ、業界の地位向上に向けて一層の努力を確認し合った。
総会=写真上=では、定款変更と理事増員が認められ、清水氏ら12人の再任とともに、新宅友穂・技能協顧問、藤林寿雄・ワールドインテック取締役執行役員、吉川和弘・トーコー社長の3人が理事に加わり、総勢15人となった。臨時理事会では清水会長、若松義治理事長、寺坂勝己、青木秀登両副理事長が再任され、新宅氏の専務理事就任が決まった。
清水会長は「今年は派遣法改正やマイナンバー制度導入など、既存の組織を揺るがしかねない大きな制度改正が相次ぐ。これを企業の義務とみるか、ビジネスの武器とするかはわれわれ次第。業界の地位向上に向けてヒントをつかんでいっていただきたい」とあいさつした。
今年の事業計画は、適正で優良な製造請負事業者の育成推進▽製造系人材サービス業界で働く労働者のキャリア形成支援と処遇の向上▽派遣法改正案への適切な対応▽外国人材活用についての調査・研究▽製造系人材サービス業界の基盤強化活動――の5本柱。キャリア形成支援では、「産業別高齢者雇用促進事業」などの新規委託事業も盛り込んだ。
講演会では5人が講演、説明に立った。講演者とテーマなどは次の通り。古舘哲生・厚生労働省民間人材サービス推進室長「最近の雇用情勢と民間人材サービスを取り巻く状況について」▽松浦民恵・ニッセイ基礎研究所主任研究員「製造派遣社員のキャリア形成に向けて」=写真右=▽安西慶高・厚労省簡素な給付措置支給業務室長補佐「給付金について」▽中村均・富士通総研シニアマネジングコンサルタント「派遣会社におけるマイナンバー制度への対応」▽新宅専務理事「製造請負・派遣分野における業界検定制度の創設」。
懇親会では若松理事長が「今年もさまざまな委託事業などがあり、業界の質向上に向けて技能協を活用していただきたい」とあいさつした。