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2015年5月12日

5年連続の増収増益も、人手不足深刻に  メイテックグループの3月期連結決算

 メイテックグループが12日発表した2015年3月期連結決算によると、売上高は821億3600万円(前期比9.7%増)、営業利益は95億4000万円(同36.7%増)、経常利益は96億4300万円(同38.2%増)、当期純利益は36億5900万円(同7.9%減)と5年連続の大幅な増収増益となった。当期純利益がマイナスになったのは、研修施設の売却に伴う特別損失約36億円を計上したため。

 期末配当は1株あたり57円で、中間期の34円と合わせて91円とし、今年が創立40周年にあたることから、記念配当を各10円の計20円を実施。これらを合わせると111円になる。

 16年3月期の通期予想は売上高860億円(同4.7%増)、営業利益98億円(同2.7%増)、経常利益98億円(同1.6%増)、当期純利益70億円(同91.3%増)とした。年間配当は116円を予定している。

 予想売上高の860億円はピークだった05年度の832億円を上回る過去最高になるが、最大の課題はエンジニアの確保。この3月期はメイテック、メイテックフィルダーズの両社で新卒、中途採用を合わせて841人を採用し、グループの期末人数は7900人(同6.6%増)に増えたが、採用数は1年前より50人ほど減少。16年3月期はさらに減少して800人弱を予想している。

 自動車、電機、産業機械など、生産を拡大しているメーカーが大量のエンジニア採用に踏み切っているためで、「退職者数を減らすなど、さまざまな努力はするが、エンジニアの水準を落とさずに人員増を図るのが厳しい局面になっている」(國分秀世社長)というのが実情だ。

 同日の役員異動では、同社社長を15年務め、08年のリーマン・ショック時の赤字転落からの再起に成功した西本甲介取締役会長が6月18日付で退任することになった。

 


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