与党修正を施した政府提出の労働者派遣法改正案について、政府は4月28日の衆院議院運営委員会で決定した通り、あす12日の衆院本会議で審議入りする。派遣制度の制定から30年の節目に、規制のかけ方を抜本的に見直す大幅改正で、今国会における与野党対決法案のひとつとなっている。政府は9月1日施行を目指し、6月中の成立を念頭に置く。
改正法案は、これまで幾度か行われてきた改正のたびに用いられてきた「規制の強化か緩和か」といった色分けを超えた、抜本的な見直し内容が盛り込まれている。労働者保護(雇用安定措置やキャリアアップなどの義務化)などのほか、許可制一本化による事業者の適正化向上、業務によって期間制限のなかった政令26業務の完全撤廃に伴う「同一業務の人で上限3年」および、受け入れ先企業(派遣先)での上限と継続する場合の手続きが「義務化」されている。
政府は、6月中旬までの衆院通過と参院での可決・成立を視野に、衆参の本会議と厚生労働委員会で議論を展開する。
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