政府は3日までに、提出を予定していた厚生労働省関係9法案と、他省庁の所管または共管の雇用・労働関係2法案を閣議決定し、すべて国会に提出した。大幅な会期延長論もささやかれる中、労働者派遣法改正案など与野党の対決法案を含む法案審議が4月中旬から順次本格化する。
厚労省関係は(1)戦後70年を念頭に置いた戦没者の妻らに対する特別給付金支給法改正案、(2)国民健康保険法改正案、(3)厚労省所管の独立行政法人改革推進法案、(4)労働者派遣法改正案、(5)勤労青少年福祉法改正案(若者雇用促進対策法案)、(6)社会福祉法改正案、(7)医療法改正案、(8)労働基準法改正案、(9)確定拠出年金法改正案。
他省庁の所管または共管の雇用・労働関係は、女性活躍推進法案(内閣官房・内閣委員会)と外国人技能実習に関する新法(厚労、法務両省共管・法務委員会)――の2法案。これら計11本の法案は、3日までに国会に提出された。
一方、政府が提出検討中に位置付けるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を改革する年金積立金管理運用機構法案など3法案は、今国会への提出が見送られる見通しだ。
雇用・労働関係法案で主なものは、重要広範議案に指定された労働者派遣法改正案(9月1日施行予定)で、政府は5月までの審議入りを目指している。
また、3日に国会に提出された労働基準法改正案は、現時点で審議入りの日程の見通しがたっていない。後半国会の流れと会期延長が審議入りの有無を左右しそうだ。
勤労青少年福祉法改正案(若者雇用促進対策法案)は、与野党対決法案ではないことから、参院先議で審議入りする公算が高い。
外国人技能実習に関する新法の審議は、法務委員会が中心となるが、厚生労働委員会との合同審査となる線も消えていない。
女性活躍推進法案は、昨秋の臨時国会の衆院内閣委員会でほぼ審議を終え採決寸前まで進んだが、解散で廃案となった。今国会で政府は5月中に成立のメドをつけたい意向だ。
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