2015年春闘は18日、第1陣として自動車、電機、鉄鋼などの主要メーカーが一斉に回答した。注目されていた労組側要求のベースアップ(ベア)は、6年ぶりの実施となった昨年の回答額を上回る企業が相次ぎ、年間一時金(ボーナス)も満額かそれに近い金額が目立った。連合は20日に第1回「回答集計結果」をまとめ、記者会見する。
14年春闘の際と同じく、政府は「アベノミクスによる景気回復効果を持続させるには、労働者の賃金アップが不可欠」として、昨年暮れの政労使会議などの場を通じ、企業側に賃上げ実施を強く「要請」した結果、多くが2年連続で「呼応」した格好だ。
一斉回答は、大企業の正社員が対象であり、中小企業や非正規社員の賃上げはこれから4月にかけて展開される。連合は今春闘に向けて、「賃上げ、時短、政策・制度要求の実現の3本柱で闘う。とりわけ中小企業の労働者、非正規労働者の底上げを図らなければならない。すべての労働者の月例賃金の引き上げにこだわる」との方針を示しており、昨年に続いて非正規の賃上げ幅も焦点となる。
18日の主な回答結果をみると、自動車はトヨタ自動車がベア月額4000円、一時金は要求通りの6.8カ月を回答。日産自動車はベア5000円でトヨタを上回り、一時金も満額の5.7カ月。電機では、日立製作所やパナソニック、東芝など大手はベア3000円の横並び回答ながらも、現行方式の要求となった02年以降で最高となった。
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