政府は13日、労働者保護の強化や期間制限のあり方を抜本的に見直す労働者派遣法改正案を閣議決定した。一両日中に衆院に提出される。1985年の派遣法制定以来、幾度もの改正を経てきたが、期間制限のなかった政令26業務を撤廃して「同一業務の上限を人で3年」とするなど大幅な改正。今国会で成立すれば9月の施行となるが、野党の反発は根強く、政府・与党の国会運営が注目される。
改正法案の柱は、(1)行政の指導・監督時における裁量行政の主要因との指摘が挙がっていた「政令26業務の完全撤廃」、(2)業務単位による期間制限を個人単位(上限3年)とする「業務から人への見直し」、(3)すべての労働者派遣事業を許可制とする「特定と一般の区分の撤廃」――など3点。
このほか、派遣労働者に対する派遣元の雇用安定措置や、キャリアアップのために必要な環境整備を義務化するなど、従来までの改正のたびに使われた「規制の緩和か強化か」といった単純な色分けを超えた内容となっているのが最大の特徴だ。
また、今回提出される与党修正を施した改正法案は、野党側の理解を得るため、民主党や連合が主張してきた「派遣就業は臨時的かつ一時的なものであることを原則とする」といった文言が加わっている。政府は、9月施行を視野に5月までの審議入りを目指している。