自民党総務会は10日、同党厚生労働部会が5日に通した与党修正の労働者派遣法改正案について了承した。政府は13日に閣議決定し、即日、衆院に提出する。また、派遣法改正案は5日に開かれた議院運営委員会の理事会で重要広範議案に指定されている。
国会に提出予定の派遣法改正案は、事業者の許可制への一本化や派遣社員のキャリアアップに向けた対応を義務化し認可要件とするなど、労働者保護を念頭にした事業規制が多く盛り込まれており、いわば「規制のかけ方を抜本的に見直す」内容となっている。今回の与党修正によって、さらに「派遣就業は臨時的かつ一時的なものであることを原則とする」といった文言なども明記された。
昨秋の臨時国会に続き、同法案は与野党の議運理事会で重要広範議案に指定された。重要広範議案はそれぞれの国会ごとに与野党が特に重要と位置付ける法案で、2000年1月に当時の各党の申し合わせで決まった慣例。指定されると、他の法案とは異なり、衆参それぞれの本会議で所管大臣による趣旨説明、質疑を行う必要がある。また、各委員会、今回の派遣法改正案で言えば厚生労働委員会となるが、大詰めの審議に首相の出席が必須とされている。
衆参両院の事務局によると、衆院では与野党の攻防はあるものの概ね野党の要求に基づき、通常国会では4法案を重要広範議案に指定。臨時国会では2本程度のケースが大半。そして、参院での審議は20時間以上が必要との慣例がある。
派遣法改正案をめぐっては、昨年の通常国会では指定されず、秋の臨時国会で指定されている。