自民党の厚生労働部会(高鳥修一部会長)は5日、与党修正を施した労働者派遣法改正案について了承した。2度の廃案を経て今国会に“新たに提出”される格好となり、「規制のかけ方を抜本的に見直す」という基本線は変わらないが、さらに「派遣就業は臨時的かつ一時的なものであることを原則とする」といった文言が加わる。3日には修正内容を主導してきた公明党の厚生労働部会(古屋範子部会長)と同党政務調査会が了承済み。10日の自民党総務会を経たうえで、政府が13日に閣議決定し、国会に提出する。
今回の修正は、これまで提出してきた改正法案の条文の「直し」ではなく、新たにいくつかの条文や付則を「書き加える」もの。内容は昨年の臨時国会で公明党が提案してきた6項目が軸となっている。
また、運用の面では、派遣元によるキャリアアップ推進と雇用安定措置の「義務化」、均衡待遇の「確保」、すべての派遣元事業者を許可制に移行する「健全化」などについて、これまで提出してきた法案よりも強く押し出す考えだ。
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