政府の規制改革推進室は12日、規制改革会議の「公開ディスカッション」を開いた。テーマは「多様な働き方を実現する規制改革~すべての人が能力を発揮するための働き方改革」。同会議の雇用ワーキンググループ(鶴光太郎座長)を中心に進めている労働制度の改革について関係者を招いて議論した。
各界を代表して、神津里季生・連合事務局長、椋田哲史・経団連専務理事、平井康文・新経済連盟理事、松浦信男・万協製薬社長、徳倉康之・NPO法人「ファザーリングジャパン」理事、中野麻美弁護士の6人がそれぞれの取り組みを報告した。
この中で平井氏は、産業構造が知識社会型に移行するのに伴い、ICT活用などによるフレックスタイム制の導入など、従来の時間管理になじまない職種が増えている事実を解説。松浦氏は、女性の積極活用などを通じて、中小企業でも高い生産性を実現できることを強調。徳倉氏は、男性のワークライフバランスを促す「イクボス」育成の必要性などを指摘した。
この日の議論は同会議委員による報告者への質疑応答といった趣が強く、「成果型」労働制度をめぐる連合と経団連の応酬といったディスカッションはなかった。
この後、記者会見した岡素之同会議議長は、多様な働き方実現を目的に厚生労働省が国会提出を予定している労働基準法などの改正について、「限定されてはいるが、まず一歩前進と評価したい」と述べた。
【関連記事】
民間職業紹介事業などで「規制の抜本的再構築」を追加提言、規制改革会議
業界団体の"再編"に影響も(1月28日)