厚生労働省が30日発表した昨年12月の有効求人倍率(季節調整値)は1.15倍となり、前月比0.03ポイントの上昇となった。求人倍率は22年前の1992年前半の高水準に並んでいる。
新規求人倍率は1.79倍で同0.13ポイント上昇し、企業の求人意欲の強さを裏付けている。新規求人数(原数値)は前年同月比5.6%増と大きく伸び、産業別で高いのは宿泊・飲食サービス業の同17.7%増、教育・学習支援業の同17.3%増、医療・福祉の同11.9%増などと軒並み二ケタ増の人手不足状態だ。
都道府県別では東京都の1.68倍が最高で、最低は鹿児島県と沖縄県の0.80倍だった。
この結果、2014年の年間平均有効求人倍率は1.09倍となり、前年比0.16ポイントの上昇。5年連続の上昇となり、リーマン・ショック前の07年の1.04倍以来の1倍の大台を回復した。
昨年の完全失業率は3.6%、4年連続改善
総務省が30日発表した昨年12月の就業者数は6357万人で、前年同月比38万人増、12カ月連続の増加となった。完全失業者は210万人で同15万人の減少、55カ月連続の減少となった。この結果、完全失業率(季節調整値)は3.4%で、前月比0.1ポイント低下した。
男女別では男性が3.6%で前月比0.2ポイント低下、女性が3.2%で同0.1ポイント上昇となった。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5308万人のうち、正社員は3291万人で前年同月より18万人増。一方、非正規社員は2016万人で同49万人増え、非正規比率は38.0%と前月と同水準だった。このうち、派遣社員は125万人で同11万人増えた。
この結果、2014年の年間平均の完全失業率は3.6%、前年比0.4ポイント低下して4年連続の改善となった。これは1997年の3.4%以来、17年ぶりの低水準。