ホワイトカラーを中心とした民間職業紹介の事業者団体である日本人材紹介事業協会(渡部昭彦会長)は29日、都内で2015年東日本ブロック会と賀詞交歓会を開いた=写真。渡部会長は「協会として会員企業の教育研修事業に注力した結果、コンプライアンス意識の高まりを感じている。政府の規制改革会議が提言した職業安定法の改正問題には、業界として意見具申を続けたい」とあいさつした。
佐藤建次郎専務理事が活動報告した後、人材サービス産業協議会(JHR)の池目雅紀氏が昨年から試験実施している「キャリアチェンジプログラム」を解説した。厚生労働省職業安定局の古舘哲生・民間人材サービス推進室長は「人材ビジネス業界をめぐる現況」と題して講演。ハローワークの民間開放の現況、今国会に再々提出が見込まれる労働者派遣法改正案のポイント、規制改革会議が提言した「有料職業紹介事業の規制の見直し」などにも触れたものの、規制の見直しに関する厚労省としての意思表示はなかった。
懇親会では、協会会員や厚労省幹部らを前に渡部会長が「人材紹介事業を取り巻く情勢は全体的にこの2年ほど復調しており、今年も順調に推移することを期待している」としたうえで、「規制改革や成長戦略といった国レベルでの動きもある一方で、民間の人材サービス業界を見回すとさまざまに業態が変化、多様化する中で、業界としての立ち位置やあり方をどうするかという議論も出てくるだろうと思う」と展望。「適材適所に人材を送り届けるという人材紹介事業の本義に基づき、仕事に自負心を持って邁進していきましょう」と呼び掛けた。
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