帝国データバンクが8日発表した特別調査「主要人材派遣会社の動向調査」によると、年間売上高50億円以上の主要104社の2013年度決算では、売上高合計が2兆455億5800万円(前年度比2.9%増)となり、損益のわかる96社では97%にあたる93社が黒字決算となった。
リーマン・ショック以後の10年度から3期連続の増収企業は104社の48%にあたる50社、増益企業は95社の86%にあたる82社にのぼった。08年度からの売上高が判明している95社の合計では13年度が1兆8477億円で3期連続の増収と回復基調にあるが、リーマン・ショック前の08年度の2兆1522億円にまでは戻っていない。
一方、中小派遣会社を中心に倒産件数は増加傾向にあり、13年度は84件と、リーマン・ショックの影響を受けた09年度の81件を上回った。14年度も11月までに78件にのぼるなど、高水準で推移している。
これらの結果について帝国データでは、「主要人材派遣会社の多くは安定経営を維持しているが、小規模事業者の倒産も増えており、大手と中小の経営の二極化が鮮明となっている。今後、人材確保が難しくなる外食、小売り、サービス、医療、介護などでの業界需要はさらに高まり、二極化が一層進む可能性がある」と予想している。