21日、衆院の解散に伴い、上程されている法案はすべて審議未了で廃案となる。9月29日の臨時国会召集から解散までの54日間で、政府が新たに提出した法案は31本、このうち21本が成立。成立率は67.7%にとどまった。
重要、または注目の法案は、地方創生関連2法案、女性活躍推進法案、労働者派遣法改正案の3本だったが、地方創生のみ解散のこの日に成立させるのがやっとだった。「成長に向けた多様な働き方の実現」を前面に、第2次安倍改造内閣で臨んだ初の国会だったが、衆参で圧倒的な議席を有しながらも、冒頭から「政治とカネ」に絡む問題で政府・与党が主導権をつかめなかった。
労働法制の改革は、現在、労働政策審議会で労使が主張をぶつけ合う案件が複数あり、臨時国会で成立にこぎ着けることが出来なかった労働関連法案に加え、来年は新たに政府の目指す改正法案が待ち受けており、労働関連法案の“渋滞”が懸念される。
総選挙は12月2日公示、14日投開票で、下旬に特別国会が開かれ、首班指名とそこで選ばれた首相による組閣が行われる運びだ。