連合の古賀伸明会長は20日、安倍晋三首相の衆院解散宣言に伴う12月の総選挙について、「大義がない」と厳しく指摘したうえで、「(安倍首相は会見で)消費税の税率引き上げの延期を国民に問いたいとしているが、この2年間続けてきた強引な政治、また直近で起こった『政治とカネ』の問題、加えて働く者に直結する労働者保護ルールの改悪など、国民の不安や不信から目をそらすための総選挙ではないか」と述べた。
この日の定例会見は、臨時国会の会期中、最後であると同時に、総選挙の公示まで12日前という慌ただしい中で行われた。古賀会長は「大義なし」を念押ししながらも、「(選挙は)日本のこれからの針路を決めていくうえで重要であることは間違いない。残念ながら連合が支援する民主党はまだまだ国民の信頼を取り戻したとは言えない状況だと思う」と冷静に情勢を分析。
一方で、「一部の富が社会の安定や発展につながるという政策・政治でいくのか、あるいは働く者や生活者に視点を当てた政治を進めるのか。そこが問われている選挙だ」と、総選挙の位置付けと争点に対する考えを示した。
2015春闘のヤマ場を来年3月18日に設定
連合は10月17日の中央執行委員会で確認した「2015春闘に関する方針と基本構想」に加えて、(1)中小組合(組合員数300人未満)は格差是正と底上げの観点で「最低到達水準」を設定し、要求基準として1万500円以上の引き上げを求める。(賃金カーブ維持相当分4500円)、(2)非正規労働者は正社員との均等処遇実現を目指して、同じく「最低到達水準」を設定し、時給37円以上の引き上げを求める――の2点を盛り込んだ。12月2日の中央執行委員会で闘争方針を決定する運び。
また、第1先行組合回答ゾーンを来年3月16日~20日とし、最大のヤマ場を同18日に設定した。3月下旬は中堅・中小の集中回答ゾーンとすることも決めた。
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