日本人材派遣協会が17日発表した2014年7~9月期(第3四半期)の派遣社員実稼働者数調査(503事業所)によると、平均29万6929人(前年同期比4.9%増)となり、13年の第3四半期以降、5期連続で前年同期比の100%超えが続いている=グラフ。景気回復を受けて人手不足に悩む企業の需要が、正社員と同様に派遣にも及んでいる。一方で、調査を開始した08年1~3月期(第1四半期)の実稼働者数平均は44万4371人であり、「増加傾向を維持」している現時点でも、そこには遠く及んでいないことも事実。労働者派遣法改正案をめぐる国会論議でも取り上げられた「派遣が増える、減る」の視点は、短絡的な見方をするのではなく、どの時期を「起点」に見ていくかも重要と言えそうだ。
地域別でみると、前回と同様、全国10地域のうち、東北を除く全地域でプラスとなった。東北は同98%台にとどまっている。北関東・甲信は同5.4%増で、5期連続の100%超えとなり堅調を維持。このほか、近畿が同8.4%増と大きく伸び、次いで北海道が同6.5%増となった。
業務別では、政令26業務で最大の「機器操作」は7万7250人(同6.8%増)となり、12年7~9月(第3四半期)以降で最高となった。「財務」は1万8247人(同3.3%増)。「その他の政令業務」も5万2224人(同6.0%増)となった。
さらに、自由化業務では「一般事務」が6万9895人(同18.7%増)の大幅増で、調査開始以来最高となった。一方で、横ばいが続いていた「軽作業」は1万1859人(同4.0%減)となり、前年同期を下回った。
このほか注目されるのは紹介予定派遣で、順調に増加している。実稼働者数は7619人(同5.6%増)、成約件数も3296件(同8.4%増)となり、この成約件数は09年7~9月(第3四半期)の倍以上だ。
また、日雇い派遣の実稼働者数は、7万7525人(同18.7%減)と大きく落ち込んだ。