安倍晋三首相は外遊(9日~17日)から帰国後の19日前後に、衆議院を解散する意向だ。「12月2日公示・14日投開票」が有力視されているが、一週間延びる可能性もある。これに伴い、国会では12日、上程されている政府提出法案と議員立法について、各常任委員会が解散前に成立させる法案とそれ以外の選別作業に追われた。派遣法改正案は11日夜に政府・与党が12日の採決を断念したことで、今国会で事実上の廃案となり、総選挙で過半数を得た場合、年明けの通常国会に「再々提出」する見通しだ。
総選挙を挟むと、それまでに国会に上程されている法案はすべて廃案となるため、法案を衆院厚生労働委員会に残したままの「継続審議」という形はとれない。先の通常国会で法案に形式的な誤記が見つかり、「廃案→今臨時国会に『再提出』」という手続きをとっているため、厳密に記すと来年の通常国会に「再々提出」する格好となる。その際、10月31日に明らかになった与党の公明による付帯決議案に近い内容の「一部修正案骨子」を加味して提出するかどうか。また、「来年4月施行」を半年程度遅らせるかなど、今後、政府と与党の実務者レベルの議員の間で協議される模様だ。
安倍首相が19日に解散した場合、9月29日から第2次改造内閣で臨んだ52日間は「立法府」としてどの程度の役割を果たし、また成果があったのか。衆参ともに与党多数の議席を有していただけに、多面的な角度からの検証が必要となる。
総選挙後に開かれる特別国会は12月下旬に召集される見込みで、首班指名選挙とともに選ばれた首相による組閣が行われる運びだ。
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