自民と公明両党の幹事長は5日午前、都内で会談し、規制のかけ方を抜本的に見直す政府提出の労働者派遣法改正案について、会期内成立に向けた日程感について確認した。一方で、衆参厚生労働委員会の総括審議などに安倍首相の出席が必要な「重要広範議案」であることを考慮すると、首相の外遊(9日~17日)を挟む中で窮屈な会期日程に変わりはない。与党は現時点では延長なしの方向で、明後日の衆院厚労委で首相出席の質疑にこぎ着けたい意向だ。
10月31日には同委員会が公明党の準備していた「修正案(的な)骨子」の存在で紛糾、流会している。与党の「足並みの修復」が成立に向けた最低条件であったが、この点は流会後の連休中に両党幹部間で仕切り直し、結束固めの意味合いも含めて5日午前の幹事長会談が用意された。
会談の結果、与党として会期内成立に向けた日程感として、7日に首相が入った質疑を行い、首相の外遊中に衆院での可決の環境を整備。帰国後の17日週から参院での審議入りを目指す方針だ。7日に採決まで持ち込む案もあるが、判断はぎりぎりまで練る考え。
これまで、派遣法改正案をめぐって両党幹部は強行に反対する民主などに配慮し、表だって会期内成立への日程感を公にしていなかったが、一定のハレーションを覚悟したうえで成立の意思を明確にした格好だ。
一方、この日は両党幹事長会談とは別に、衆院厚労委は渡辺博道委員長の職権で午前9時台から与野党8会派の委員が審議を進めている。野党の反発はあるが欠席することなく審議に臨んでおり、夕刻まで展開される見通しだ。
自民の国対幹部は「日程的に限界にきている。女性活躍推進法案なども含めこれらが通せなければ何のための臨時国会だったのかとなる。成立させることが安倍内閣と与党の責務だ」と話している。
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