労働者派遣法改正案を議題に、31日午前9時から予定されていた衆院厚生労働委員会は、開会前の同理事会で与党・公明が準備していた付帯決議案に近い内容の「一部修正案骨子」の存在をめぐって紛糾し、流会した。強行に反対しているのは野党でも民主、共産、社民、生活の4党(衆院定数480のうち4党計73)となっているが、議席数の少ない政党の意見や主張も考慮して策定準備中だった「案」が、逆に流会の原因となった格好だ。
公明の案は「4項目(計6点)」で、強行に反対する野党4党などに対して「協議の可能性」を模索するために準備していた。提出法案の数項目に「言葉の補足や明記を提案」する内容で、基本線を変える大きな修正は入っていない。しかし、本格審議開始の直前となる31日朝までに、一部報道で“修正案”の存在が浮上。この日の質問予定者を中心に野党側へ伝えることとなった結果、主に野党4党から「原案に欠陥があることを認めた証拠」、「廃案にして出し直すのが筋」などといった指摘を受けた。その後、終日にわたって断続的に協議が行われたが、最終的に委員会を開会できないまま「流会」に終わった。与党は審議日程の練り直しを迫られる。
この日の「流会」に関しては、衆院厚労委の与野党理事会だけでは決着がつかず、昼前から議院運営委員会に進行の方法などが委ねられていた。
安倍内閣が強調する「政治は結果。法案を着実に通すのが国民の負託に応える政府の責務」という言葉が、第2次安倍改造内閣後から“上滑り”になっている。