厚生労働省が31日発表した9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.09倍となり、前月比0.01ポイント低下した。求人倍率は3年4カ月ぶりの小幅低下で、これまでの一本調子の上昇から一服状態に入ったとみられる。
新規求人倍率は1.67倍で同0.05ポイントの大幅上昇となり、6月の水準に戻った。1.6倍台の水準はリーマン・ショック前の好況時を上回り、依然として企業の求人意欲は強い。新規求人数(原数値)は前年同月比6.3%増で、産業別で高いのは医療・福祉が16.4%増、宿泊・飲食サービスが13.0%増、卸・小売が10.4%増など。
9月の完全失業率は3.6%、2カ月ぶり上昇
総務省が31日発表した9月の就業者数は6402万人となり、前年同月比で43万人増。21カ連続で増加した。完全失業者は233万人で同25万人減と、52カ月連続の減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は3.6%となり、前月比0.1ポイントの上昇と、2カ月ぶりに小幅上昇した。男女別では男性が3.7%で同0.1ポイント低下、女性が3.4%で同0.2ポイントの上昇となった。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5298万人のうち、正社員は3327万人で前年同月より36万人増。一方、非正規社員も1970万人で30万人増え、非正規比率は37.2%となった。景気拡大に伴う人手不足に対応するため、正社員を増やす企業が増えている。